令和8年度 島根県(松江市)地域社会剣道指導者研修会の報告
令和8年9月12日(土)・13日(日)の2日間、島根県立武道館(松江市)で令和8年度 島根県(松江市)地域社会剣道指導者研修会が開かれ、日本武道館から派遣された中央講師2名による講話と実技の研修に、延べ64名が参加しました。研修会の概要と、受講者の感想をご紹介します。

研修会の概要
| 日時 | 令和8年9月12日(土)、13日(日) |
|---|---|
| 会場 | 島根県立武道館 |
| 中央講師 | 石井 猛 範士八段 関川 忠誠 範士八段 (日本武道館派遣) |
| 地元講師 | 石倉 輝也 教士七段 山田 雄 教士七段 |
| 受講生 | 総数64名(1日目31名、2日目33名) |
研修の内容
開講式 9月12日(土)9時30分〜9時45分
- 日本武道館代表挨拶:本研修会の趣旨説明と、武道の振興・発展に向けた取組、実りある研修になることを願っている旨を挨拶された。
- 島根県立武道館長挨拶:積極的に研修に参加し、島根県の剣道の発展に寄与する研修会になることを期待する旨を挨拶された。
- 島根県剣道連盟会長挨拶:中央から派遣されたお二人の講師からたくさんのことを学び、地域や職域での指導に活かしてほしい旨を挨拶された。
- 講師紹介
- 石井 猛講師挨拶:参加者に対して、「講師として一生懸命伝えるので、一生懸命学んでほしい。私たちも一緒に学んでいきたい。」という旨を挨拶された。
1日目 9月12日(土)9時45分〜17時00分
- 古武道指導 貫心流居合術 重吉 伸一 範士八段(9時45分〜10時50分)
- 試し切り
- 貫心流居合術10本(3名で演武)
- 貫心流居合術の技の説明
- 貫心流剣術・柔術の説明と参加者による練習:突き・投げ・受け流し技など、実践を想定した動きの練習
- 剣道講話 石井講師(10時50分〜12時)
- 小川 忠太郎先生の教えに学ぶ:剣・理法・刀法・身法・心法について解説
- 安全に配慮した適切な指導:用具の安全管理・危険な行為・安全に配慮した指導の重要性を説明
- 審判法:有効打突の取り消しの見極め・中止要請・暴力行為への対処について解説
- 剣道指導法 木刀による基本稽古法基本動作 石井講師(13時〜14時10分)
- 礼法・作法・基本動作の重要性を説明
- 木刀による基本稽古法の解説:仕太刀の動き、打太刀の動き、留意すべき点について、丁寧に説明し、実演
- 実技指導:参加者は二人一組をつくり、実技研修
- 剣道指導法 木刀による基本稽古法応用動作 石井講師(14時20分〜16時)
- 防具着用時の着装・作法・礼法の解説
- 初心者への指導法、中級者以上への指導法の解説:踏み込みができない人への指導の留意点、元立ちの受け方、中心の取り方、払い、攻め、崩し、鍔ぜり合い、技の実践練習
- 実技指導:参加者は二人一組をつくり、実技研修
- 互角稽古・指導稽古 石井講師(全講師)(16時10分〜17時)
- 剣道指導法で学んだ内容を実践的な稽古の中で復習
- 参加者同士で互角稽古
- 講師の先生による指導稽古:「捨てて打つ」ことの重要性について教示
2日目 9月13日(日)9時00分〜15時40分
- 剣道講話 関川講師(9時00分〜9時30分)
- 稽古と昇段審査の違い:当てる剣道と切る剣道、攻め、仕掛けることの大切さ
- 稽古における心の持ち方:10年後を見据えた稽古、捨て身で技を出す、打たれることを恐れない
- 気位…見える努力と見えない努力:勤務校の生徒と一緒にトイレ掃除を行ったことが活かされている
- 剣道指導法 基本動作 関川講師(9時30分〜12時)
- 基本動作の確認:竹刀の持ち方、握り方、手の内、すり足、素振りの注意点の説明
- 面をつけずに基本動作の練習:左足の引付を意識したすり足の往復、手の内を意識した素振り、切り返しの打ち方、受け方、体当たりとその受け方
- 面をつけて基本動作:切り返しにおける集中力、手の内、間合い、体当たり、連続技
- 剣道指導法 応用技 関川講師(13時〜14時50分)
- 応用技の説明:呼吸を合わせる、巻き技、返し技、すり上げ技の注意点の説明
- 面をつけて応用技の練習:呼吸を合わせて、合気になって技の練習を行う
- 稽古法:学んだことを活かした互角稽古、捨て身で技を出すことを教示
- 剣道指導法 指導稽古 関川講師(全講師)(15時00分〜15時45分)
- 講師の先生による指導稽古
閉講式 15時50分〜16時15分
- 島根県立武道館長挨拶:今回の研修会での学びを、自分自身の稽古や地域の指導に活かすこと、そして30年開催の国スポの選手強化につながることを期待する旨を挨拶された。
- 関川 忠誠講師講評:「70歳になってから強くなること」を目標に稽古に励んでいる。参加者の皆さんも、さらなる上達を目指して、自信をもって稽古に励んでほしいと講評された。












受講者の感想
令和8年度 島根県(松江市)地域社会剣道指導者研修会を受講して
現在、私は島根県警察の警察官として働きながら、親しい仲間とともに、毎日、剣道の修練に励んでいます。今回は、普段中々ご指導を仰ぐことができない先生方から、できるだけ多くのことを学びたいという想いで参加させていただきました。
研修会1日目、貫心流居合術の研修では、刀(竹刀)の扱い方、切る(打つ)機会など、剣道に通ずる部分が多くあり、大変勉強になりました。また、先生から、居合の形はあくまで幹であり、そこに枝をつけるように相手によって技を工夫して繰り出し行くというお話をきき、大変感銘を受けました。毎日、同じように基本打ちを繰り返すことも大切ですが、剣道は相手がいて初めて成立するものですから、基本の幹を大切にしつつ、相手に応じて創意工夫した技、自分なりの枝を育てていかなければならないと感じました。
続いて、石井先生からのご講義と実技指導がありました。ご講義では、剣の理法についてご説明いただき、その中で切り返しやかかり稽古の重要性、質の高い稽古をするためには、まずは量をこなす必要があると強く感じました。
実技指導では、木刀による基本稽古法を中心に、面をつけての基本打ちから仕掛け技、応じ技までご指導いただきました。基本稽古法に基づいて、基本打ちをすると自分の重心が不安定になっていることに気が付きました。自分がいかに基本をおろそかにしていたかがよくわかりました。また、仕掛け技や応じ技に関しては、教わった技をその後の稽古で試してみたところ、今までに比べて相手がよく見えるようになりました。これは私にとって大きな収穫であり、剣道の幅が広がったような気がしました。
2日目は関川先生からのご講義と実技指導でした。ご講義の中で一番印象に残っているのは、正しい剣道感を持って稽古に臨むこと、そうすれば同じ道場で稽古していても数年後にはそれが大きな差となってくるということです。稽古では、どうしても目の前の相手を打ちたい、打たれたくないということが頭をよぎってしまいますが、更なる上の段を目指すためには、打たれてもいいからしっかりと捨てて打ち切るという、ぶれない剣道感をもって精進することが重要であると学びました。
実技指導では、合気になってから打ち込むこと、自分の全てをかけて一本に集中して打ち込むことを学びました。また、普段私が使用することのない巻き技についてご指導いただいたことで、ここでも私の剣道の幅が広がりました。
このように2日間という短い期間ではありましたが、非常に多くのことを学ばせていただき、今回参加させていただき本当に良かったと思っています。今後、今回学んだことを日々の稽古で修練していき、自分のものとしていきたいと思っています。
また、今回の研修会は、剣道指導者のための研修会でありますので、現在、私は地域で子供たちなどに指導する機会はありませんが、今後、そのような機会があれば、今回学んだことを指導に活かすことで、ご指導いただいた先生方、そして研修会を主催していただいた日本武道館の関係者の皆様への恩返しとしたいと思います。
来年以降も、このような研修会の機会がありましたら、是非、参加させていただきたいと思います。このたびは、ありがとうございました。